発達外来












軽度発達障害

 ボーダーラインの精神遅滞、高機能自閉症・アスペルガー症候群、注意欠陥多動性障害(AD/HD)、学習障害(LD)など、知的水準がほぼ正常で見た目には発達上の問題を抱えていないように見えるが、実際には問題を抱えた子どもたちを総称して、軽度発達障害といいます。

 軽度発達障害がある子どもは、周囲から発見されにくく、認知されにくく、理解されにくいという特徴があります。現状では軽度発達障害の子どもたちが成人に達した時点での社会参加率(仕事をもち、経済的に自立している割合)は非常に低いと言わざるをえません。したがって、「軽度」発達障害という名称にも関わらず実際の子どもたちの障害は軽度ではありません。「軽度」の意味は、知能検査結果が軽度ないしボーダーラインの結果を示すことを表します。

 当院では、医療と教育の連携を通じ、将来的な社会参加を最終目標とする発達障害児に対する教育プログラムを実施いたします。

発達外来

 完全予約制です。対象は初診時において3歳以上の未就学児です。(対象から外れる年齢のお子さまのうち、3歳未満の方は当院通常外来を受診の上、ご相談ください。小学校以上の年齢のお子さまは、他の専門機関を受診ください。)受診をご希望の方は、受付にて予診票を受け取り、記入してください。記入した予診票を受付に提出時に発達外来の予約を取らせていただきます。

 発達外来の初診では、予診票で教えていただいた内容の他、家族歴・既往歴・成育歴や現在の家庭・幼稚園・保育園などでのようすを確認させていただきます。可能であれば、幼稚園・保育園・その他相談機関からの情報もお持ちいただけると助かります。さらに4歳8ヶ月未満のお子さまには、遠城寺式乳幼児分析的発達検査表を用いた簡易な検査を行います。4歳8ヶ月以上のお子さまでも同じ検査表を使用し、参考といたします。

 障害があっても初診時に明確な診断をくだせることはまれです。初診後、数回は当院に通院いただき、当院スタッフによる行動観察を行います。診断に知能検査は有用な情報を与えてくれることから、できるだけ早期に施行することが望ましいのですが、検査者と患児の間に信頼関係があることが必要です。行動観察の機会はこのような信頼関係を構築するのに有用です。数回の行動観察後、田中・ビネー知能検査もしくはWISC-Ⅳによる知能検査を施行いたします。知能検査の結果と行動観察の結果を合わせ、確定診断もしくは暫定診断をくだします。初診時に暫定診断をくだす場合もありますが、診断後必要な治療を行います。

 治療としては、大きく分けて行動療法と薬物療法があります。軽度発達障害は自然経過ではよくなりません。治療の最終目標(=よくなること)は成人した時の社会参加(就労)です。障害のない方も同様ですが、社会に資する能力は教育により得られます。行動療法や薬物療法をした上で良好な教育を施さなければならないことを肝に銘じておいてください。当院では能力開発プログラムも用意しております。

教育プログラム

 教育の基本は家庭にあります。当院で行う教育プログラムは相互確認的に行います。毎回課題を出し、それを記録していただき、次回外来で確認いたします。多くの児童施設や矯正施設で施行されているソーシャルスキルトレーニング(SST)のようにその場でイベントとして行われるだけでは将来につながる教育とはならないと考えるからです。(訓練場面ではできるけれども家に帰るとできないということがよくある。)忙しい毎日を過ごされているとは思いますが、ご協力をお願いいたします。

 子育て支援プログラム:一般に軽度発達障害の児童・生徒は、障害の種類を問わず、生活習慣(早寝早起き朝ごはん等)の確立が不十分なことが極めて多いです。家庭での教育の基礎として生活習慣の確立が必要なため、最初に確認させていただきます。

 ペアレントトレーニング:家庭でできる行動療法です。子どもの行動を増やしたい行動・減らしたい行動・絶対に許せない行動に分類し、増やしたい行動に対してはほめる。絶対に許せない行動に対しては止める。減らしたい行動に対しては相手をしないことを実践します。日々の子育てをうまく行う道しるべとなるようにプログラムを組んでいます。全6回です。

 HACプログラム:獨協医大小児科に在籍した海野健先生が作成した,「ママがする自閉症児の家庭療育」です。自閉症の診断となった方に行います。すべての課題を行うことができるようになるのに3年程度かかります。

 能力開発プログラム:幼児教育用教材を用いて、「読み・書き・算数」の基礎を構築します。